「咲ちゃん……うん、じゃぁ…お願い」
「うんっ」
咲はニコッとして立ち上がった。
「じゃぁ、廉くんはソファーにでも座ってゆっくりしてて?」
「うんっ」
そして咲がご飯の支度をしようとすると、
何やら視線を感じて、そっと振り向く。
すると、廉がニコッとしてソファーに座りながら頬杖をつき咲の方を見ていた。
「れ…廉くんっ、こっちあんまり見ないで欲しいな?」
っていうか、前もこれあったような…?
「えっ?ダメ?いいじゃん、作ってる姿見てたいもんっ」
「でも…恥ずかしいし…気になって…」
「今日はダーメっ、なんか…咲ちゃんから目離したくないんだっ…」
「廉くん…」
廉にそう言われ、咲は仕方なく前を向き手を進める。
けど…。
咲の顔は、切な気だった。
「……ごめんね……」
そうボソッと、呟く。
ーー
そしてご飯が出来ると、2人は一緒に食べ始めた。
食べ終わって、廉が片づけをすると、
お茶を入れてテーブルに来た。
「はいっ、咲ちゃん」
「ありがとうっ」
「いえいえ」
「………。」
「………。」
飲みながら、二人は少し無言になる。