咲はまだ少しボーッとしている。
「私…いつの間にか、沢山の人に迷惑かけてる?」
私のしてる事はやっぱり、
いけないこと…なのかな?
流れてくる涙……咲は、声を押し殺すしかなかった。
ーー
そして、その夜。
咲は自分の部屋に着た望に、移動になった事を話す。
すると、望は眉間にシワを寄せ、
「なにそれっ!!意味わかんないっ!なんでそれで咲が移動することになるのよっ!私、明日もう一度店長に話すよっ」
「……いいのっ」
「…えっ?」
「本当は私、どっかで少しホッとしてるの」
「……なんで?」
「少し…恐かったんだ、いろんな人に迷惑かけてる気がして…」
「迷惑って…恋愛してるだけじゃないっ」
「望…前に言ったでしょ?“相手が相手だから”って…」
「あれは……」
望は少しうつむく。
「ごめん、責めてるつもりじゃなくって……その通りだなって思ったの」
「咲っ…」
「最近…本当はもっと前から…時々…そばにいていいか、分からなくなるの…」
「……どういうこと?」
「もしかしたら…自信がないのかも…」
「自信…?それって…必要なの?」