そんな廉を見て、私はクスッと笑った。
そしてシートベルトを外す。
「あのさ、星野さん」
「えっ…?」
「実は今日はもう一つ連絡事項があったんだ」
「連絡事項…?」
「うん、実は俺もう少しでドラマの撮影に入る事になって…」
「あっ、そうなんですか?」
そういえば…週間エンタメ雑誌に特集されてたかも。
こないだまで映画の撮影だったのに…大変なんだな?
「それで、注文してる雑誌なんだけど…」
「あっ、取りに来れそうにないですか?」
「うん、ちょっと…ね?」
「それなら、1週間以内なら置いて置くので、取りに来れる日に…」
「うーん…それも今の所何とも言えなくてね?」
「そうですか…」
「行けそうな日に、お店に電話しようかなとも思ったんだけど…」
「あ―……電話」
電話、きっとしづらいんだろうな…。