すると廉は照れて頭をかきながら、


「あっ…じゃぁ布団っ!布団取って来るからっ」


そう言って廉が慌ててベッドから出ようとする。


「えっ!?あっ…いいのっ、私はどっか、ベッドの近くかソファーに座らせてもらうからっ」


「ダメだよっ、そんなの!咲ちゃんにそんな思いさせるわけにはいかないよっ」


「…廉くん」


「えっと…確か、あっちの収納棚の…」


と、廉が布団を探そうとする。


「あっ…じゃぁ、せめて私が出すからっ、とにかく廉くんは寝てて?」


そう言って廉の肩を押さえて止める咲。


そんな咲を廉はぎゅっ…と抱き締める。


「……っ…廉くん」


「移ったら…ごめん、だから俺……キスはしないっ…」


「えっ…?」


“しない”って…
本当は我慢してる?


「ぷっ……ぷくくっ…」


笑い出す咲に、廉が身体を離す。


「えっ…?あれ?またなんかおかしな事言った?俺…」


廉の言葉に笑顔で首を振る咲。


「ううんっ、何でもないのっ」


「何だよそれ~」


少しふてくされる廉を見て、まだ少し笑いながら咲はお布団を出す。


そして廉のベッドの隣下に布団をひいて、
咲も中に入る。


「廉くん、なにか必要だったらいつでも言ってね?」


「うんっ」


廉は笑顔で咲の方を向きながら、横になっていた。


「なんか、嬉しいなぁ…」


「えっ…?」


「こうして咲ちゃんと一緒に…」


「…うんっ、私も嬉しい」


「あの日以来だね?海に行った…」


「…うんっ」