咲が熱さまシートを持ちながら、
廉の寝室のドアを開ける。


「廉くんっ、熱さまシートの換えいる?」


そう言って部屋の中を見ると、廉は上半身裸でいて、2人は目が合ってしまう。


「……っ!!?ごっ…ごめんなさいっ…!」


咲は恥ずかしさからドアをバタンと締める。


廉も少し照れた、複雑な顔で着替えをする。


ドアの向こうで咲は顔を覆う。


きゃーっ…!
廉くんの上半身見ちゃったよー!!


でも…廉くん、踊ってるのもあるからか、
けっこう…引き締まってた?


…って、何ちゃんと見てるの私はっ!
ドキドキが大っきいよ…。


咲がドキドキしながら立っていると、ドアの向こうから廉の声が聞こえてくる。


「ごめん咲ちゃん…もう、いいよ?」


「あっ…はいっ」


少しとまどいながら咲が部屋に入ると、
廉は布団に入ろうとしていた。


「……ごめんね?廉くん、ノックすれば良かったよね?」


「あっ…いや、俺は大丈夫だけど…」


「…うん」


少しの間、無言になってしまう。


「あのっ…なんか、必要な物とかある?」


「ううんっ、大丈夫だよ?それより…咲ちゃん時間大丈夫?そろそろバス…」


「あっ…うんっ、えっと…」


少し言いずらそうな咲に、廉は首をかしげる。


「廉くんっ、あの…」


「うん?」


「……朝までここにいてもいい?…」


「………えっ!!?」


廉はかなり驚く。


「あのっ…廉くんの事が心配だし…それにっ、少しでも…一緒にいたいからっ…」


咲は照れながら、うつむいてそう言った。


「咲ちゃん……俺はスゲー嬉しいけど、いいの…?」


「…うんっ」


廉の言葉にうなづく咲。