「あのっ…廉くんの体調不良って…?」
「あっ…うん、多分風邪だろうね?まぁー無理があたって溜まってたのかもっ、最近あんまり元気なかったし…」
「えっ…?」
元気なかったって…
体調のせい?
それとも…何か悩み事とか…?
私…なにも…。
「……気づいてやれなかったな…」
「…えっ?」
驚いて拓海を見る咲。
「廉くんがこんなに無理してたの…気づいてやれなかった」
「…拓海くんっ」
「廉くんいつも笑顔だから…困った人だね?辛い時は辛いって言えばいいのにね?」
拓海の言葉に咲は少し眉を下げる。
「……強い人…なんですね?」
「そうだね?時には甘えて欲しいけどね?こっちは…」
その言葉に咲は薄っすら笑顔を浮かべた。
「あっ…でも、きっと咲ちゃんの前では甘えんぼだよねっ?」
「…えっ!?な…なんでっ?」
「こないだ江真とそんな話してたんだよね~」
「えっ…!?」
どんな話してたのー!?
「まぁ~廉くんが甘えんぼな時はよろしくね?」
「えっ…?」
そう言って拓海は笑顔を浮かべる。
「あのっ…」
「ん…?」
「廉くんが甘えんぼかどうかは…分からないけど、彼時々…私に遠慮するんですっ」
「えっ…?」
「私が…上手く口に出来ないからだと思うんですけど…少しだけ、間に何かがあるような気がして…」
「……っ…」
拓海は黙って咲を見る。