「あっ…はい、お邪魔しますっ」


そう言って咲は中に入る。


「ぷぷっ…」


「えっ…?」


「“お邪魔しますっ”て、来たことあるでしょ?」


そう言って拓海は咲の腕をドンッとどつく。


「…えっ…!?」


咲はドキッとして赤くなる。


「あははっ、可愛い~照れたっ」


「かっ…からかわないで下さいっ…恥ずかしいですっ」


「あははっ、ゴメンゴメンっ、廉くんに怒られるなぁ~俺っ」


拓海はニコッとしてリビングに入る。


咲はその後をついていく。


本当に人懐っこい人だなぁ~
テレビと印象一緒だ。


そして2人はリビングの奥の廉のいる寝室へ入ろうとして、咲が立ち止まる。


「あっ…あのっ!」


「ん?なに?」


「私…入っていいんでしょうか?」


「えっ?…あははっ~なーに言ってんのっ、ここも入ったことあるくせにっ~」


そう言って拓海はまた咲の腕をドンッとどつく。


「……っ!いっ…いえっ!ここはホントにないんですっ!」


咲の照れた顔に拓海は驚く。


「あーれまっ、そうなの?あー…まぁ奥手そうだもんね?廉くんっ」


「えっ?いやっ…奥手かどうかは…」


困ってる咲にぷっ…と笑うと拓海はドアを開けた。


「大丈~夫だって、ほらっ」


扉が開いていくと、咲は少し薄目から徐々に目を開けていく…。


シックなベッドルームに、廉がスースーと寝ていた。


「……廉くん」


「ふふっ、そうだよ?廉くんだよっ、良かったね?久々…?」


「あっ…はい」


「そっか…」