すると、急に力が抜けた咲のお腹が鳴る。
「ぐぅ~~~…」
「えっ…?」
は……恥ずかしいっ!!
「あっ……えっと」
恥ずかしさのあまり、私がうつむいていると、
「そっか、ゴメン!仕事終わりだもんね?お腹空いてるよね?」
「あっ……」
「良かったら付き合わせたお礼におごるよっ」
「えっ!?いやっ…いいですいいですっ!」
白石廉の立場を考えて、私は全力で拒否った様な形になった。
廉は少しキョトンとしている。
「あっ…ごめんなさい!」
「そんな全力で否定しなくても―」
「あっ…だから、そのっ」
私が困った顔をしていると、白石廉はクスッと笑った。
「ぷはっ、ウソウソごめん!」
「…えっ?」
「これ以上付き合わせるわけには行かないもんねっ?ご飯とお礼はまた次の機会にって事でっ」