「俺…欲しいから、撮ってもいい?」


「…うん、私も」


「良かったぁー…じゃぁ、ちょっと待ってて?」


そう言って廉は車からミニ三脚を持って来た。


「あっ…可愛いー」


「うんっ、これぐらいなら持ってるんだけど、高さ足りないよね?」


「うーん…あっ!」


「えっ…?」


「砂山とかどうかな?それでも足りないかもだけど、座ってなら…」


「おっ!いいねー!よしっ、やろーぜ」


「うんっ!」



廉くんが“やろーぜ”なんて、
私に言ってくれたの初めてかも…。


なんか、すごく自然体で嬉しいなぁ。


そして、2人は砂山を作り始める。


手で砂を掻き集めながら、廉が口を開く。


「なんか、子供みたいだねっ?」


「ふふっ…ホント、でも楽しいっ」


「ははっ、俺も」


2人は笑い、色んな話をしながら砂山を作る。


そして、少し高めの砂山が出来ると、
廉はその上を安定させ、ミニ三脚を置き、
カメラをセットする。