「何か楽しそう…全部当たってるし」


私が微笑ましく廉のバッティング姿を見ていると、打ち終わった廉が出てきた。


「あ~楽しいっ」


「すごかったですね?全部当たってた」


「久々だったんだけどね?好きなんだよね~野球」


「そうなんですか?私も野球は好きですっ」


「そうなんだ、あっ…じゃあ星野さんも打つ?」


「えっ!?」


「あっ…結構スカッとするよ?」


「……うん、じゃあ少しだけ」


笑顔で“いってらっしゃい”と手を振る廉にドキッとしながら、私はバッターボックスに入った。


「あっ、でも130K/mでいいの?」


「えっ?あ―…うん」


廉の心配をよそに、
実は…


私は



カキーンッ!!


「……えっ?」


……バッティングは得意だった。