「あっ…はい、廉くんどこへ…?」
「ちょっと…行って来る」
「えっ…?」
そう言って廉は比奈の方へ歩きだす。
「行こう、ひぃ」
「廉…ゴメン、ありがとう」
比奈の言葉に廉が優しく微笑むと、2人は普段開いていない屋上へ行くことに。
仲の良いスタッフに廉が鍵を借りると、2人は階段を上がる。
「ひぃ、なんか着てこなくて大丈夫?」
「うんっ、平気…」
「そっか?」
そして2人はドアを開けて、屋上へと出た。
ドアを開けると、都会の空が見え、周りにはビルが並んでいた。
2人は手すり近くへ歩く。
そして手をぎゅっ…と握り締めた比奈がゆっくり口を開いた。
「ねぇ?廉っ」
「…ん?」
「覚えてる?初めて出会った頃のこと…」
「えっ…?あっ…うん」