「今日は……偶然じゃないよ?」
「……えっ?」
そう言った廉は、少し視線をずらしていた。
偶然じゃないって…?
私が気持ちの整理が付かず、廉の顔を見ると、
「星野さん、明日も仕事?」
「えっ?あっ…いえ、明日は休みで」
「本当っ?じゃあ…良かったらちょっと付き合ってくれないかな?」
「……えっ!?」
今…何て!?
私が戸惑ってうつむいていると、廉の声が聞こえてくる。
「…っていうか、付き合って?お願いっ」
廉は両手を合わせて頭を下げながら、そう言ってきた。
そんな廉を見てなのか、白石廉に道端でこんな事をさせられないと思ってしまったのか?
それとも、緊張からなのか…訳が分からなくなった私は…。
「……はい」
私の言葉に廉は笑顔を見せて、廉の車の助手席に案内してくれた。