それから撮影が進み、ニ月に入った頃。
この日、撮影現場では
あるハプニングが起きていた。
それは、ロケでの撮影中、比奈がケガをしてしまったことだ。
廉との撮影中で、銃を持ち犯人を追いかける緊迫したシーンで、 比奈が階段を踏み外し、 ひざを打っていた。
とりあえず、比奈はロケバスに戻りマネージャーに手当てを受けていた。
撮影はストップし、スケジュールをどうするか話す中、心配した廉も比奈の元へ向かった。
扉を開こうとすると、
比奈とマネージャーの会話が聞こえてくる。
「やっぱり、病院行こう?比奈っ」
「大丈夫だって、単なる打撲だろうからっ…ひたちゃん心配しすぎ~」
「けど…もしヒビでも入ってたら…」
「大げさだなぁ~大丈夫だって、それに撮影は今日しか出来ないのっ」
「でも…」
「だから明日…明日なら私スケジュール時間あったでしょ?明日行くよっ」