あれから、廉は連ドラの撮影の日々に入り、咲とは会えずにいた。


ある日の本屋。


咲が望と休憩していると、お茶を飲んでいた望が口を開く。


「っていうかさぁ―…咲、あんた大丈夫なの?」


「えっ?大丈夫って…何が?」


「廉っ、ドラマの撮影に入ってるんでしょ?」


「あ―…うん、でも会えないのはしょうがないし…」


「いやっ、そうじゃなくって―」


「えっ…?」


「これよ、これ!」


そう言うと望は、読んでいた雑誌のあるページを咲に見せた。


「えっと…えっ?これが…?」


「はぁ―…やっぱり知らなかったかぁ…」


望はため息をつき、飽きれた顔をした。


「えっ?ちょっと…知らなかったって…どういう?」


「問題は廉が連ドラやってることじゃなくて、その相手役の女優よ!」