そして《1F》のボタンを押しマンションを出る2人。


バス停は、廉のマンションから目と鼻の先に立っている。


「…ここだね?」


「うんっ」


廉が時刻表を見る。


「あと…5分ぐらいで来るみたいだね?」


「本当?良かった…」


すると、廉がスッと咲の手を握ってきた。


「……えっ?」


廉は照れ笑いしながら咲に言った。


「バス来るまで……さっきはちゃんと繋げなかったし…」


「……うんっ」


……あったかい。


「ねぇ、咲ちゃんっ」


「うん?」


「会えなくても…連絡するね?」


「…うんっ、ありがとう…嬉しいっ」


けっこう…マメなんだよね?廉くん…。


「でも廉くん、忙しい時は無理しないでね?」


「えっ?うんっ、分かった…ありがとうっ」


そう言って2人で微笑んでいると、バスが来たのが見えた。