「俺のこと考えてくれてたんだね？ゴメンね？」
「ううん？謝らないで？大丈夫っ」
「…うんっ」
そして、２人は玄関へ。
「じゃあ…今日はありがとう？また…」
「うんっ、俺も楽しかった、またね？」
「うんっ」
咲は笑顔で部屋を出る。
そして、エレベーターに向かい、中に入り《閉》のボタンを押そうとすると、
バタバタとした足音と共に、廉の 「待って！」
の声がした。
咲はビックリして、一旦 《開》のボタンを押すと、中に帽子を手に持った廉が入ってきた。
はぁはぁ―…と、廉が息を切らす。
「廉くん…どうしたのっ？」
「やっぱり…バス停まで送るっ」
「廉くん…」
「それぐらいなら、いいでしょ？」
廉は帽子を被りながら、笑ってそう言ってきた。
「うんっ、ありがとう…」
