「廉くん……」


そう言って咲は、テーブルに置いてる廉の手を握った。


「…えっ…?」


廉は少し照れながら咲を見た。


「私…そんな廉くんが好きっ」


「咲ちゃん…」


「きっと、そんな廉くんだから…廉くんの周りには沢山の人達で溢れてるんだと思う」


咲の言葉に、廉は少し驚く。


「……っ…」


「あっ…分かった風なこと言ってゴメン…」


そう言って咲はすっと手を離した。


「ううん…ありがとう?嬉しいよっ」


「……っ」


廉くん…やっと笑顔になった。


咲は少しホッとする。


廉はお茶を飲み終えると、部屋の時計を見た。


「あっ…じゃあ、ゴメン遅くなったね?帰るね?」


「あっ…うん」


2人は立ち上がる。


すると、廉は再び咲の手を引っ張り抱き締める。