秋に入って間もなく、
2人はまた、なかなか会えない日々を過ごしていた。
廉の忙しさは相変わらずだった。
―ある日。
仕事帰りの咲がアパートに着いて、廉にメールを送ろうとしていた。
「廉くん…今日も遅いのかな?」
メールを送信して咲は部屋に入り、着替えを済まし、ご飯の支度をしようとした時。
♪♪♪♪〜〜
「あっ、電話!」
咲が携帯を取ると、着信相手は廉だった。
「もしもし?廉くん?」
『あっ、咲ちゃん?』
「うん、廉くん今日はもう仕事終わったの?」
『うん、咲ちゃんも今日は早番だっけ?』
「そう、今アパート」
『そっか?お疲れ~』
「うん、廉くんもお疲れ」