映画のストーリーは、野球部の高校生の話で、廉はやはり…坊主頭だった。
「かっ……可愛い~!」
「えっ…!?」
頭をかきながら、咲を見る廉。
「かっ…可愛くなんてないよっ!坊主だよっ、ただのっ」
「そんなことないよっ、やっぱり廉くんは何でも似合うね~?」
「えっ!?似合わないよっ」
「似合うよ~」
「え―?もうヤダよこれ~」
そう言って、廉はテレビから目をそらした。
そんな廉を見て、くすっと笑う咲。
本当に可愛い~のに。
恥ずかしいのかな?
そして、ストーリーが中盤に入ったころ。
咲がストーリーに見入っていると、隣の空気が静かなことに気づく。
見ると、廉は頬杖をつきながら、黙って画面を見たりうつむいたりしていた。
廉が気になった咲は、リモコンで少しボリュームを下げる。