「廉くん…私の好きな人も……廉くんなのっ」


「……うん、ヤベ…めっちゃ嬉しい―」


廉にそう言って、咲の頭をなでる。


「そうだ、それと……あの時ゴメンね?」


「えっ?あの時?」


「“友達”って言ったこと…」


「あっ…」


「そう自分に言い聞かせなきゃ…ダメだと思ってた、咲ちゃんに会えなくなる方がイヤだったんだ…」


「ううん…私こそ、ゴメンね?」


「でも…やっぱり無理だった俺、気持ち押さえられなかった…あの人の事もあったし…」


「あの人?」


「上司の…人?」


「あっ…」


笹原さんのこと?


「咲ちゃんが、誰かに取られてしまう…と思ったら…止められなくなった」


「廉くんっ…」


そして、廉はゆっくり体を離す。


「自分の中でも…ビックリするぐらい…大切なんだ、咲ちゃんのこと…」