「……今……“なんて”?」


咲の言葉に廉は照れて、少し視線をズラす。


「もう一回……言うの?咲ちゃんって、結構イジワルだね…?」


「えっ!?あっ…ごめんなさいっ…あのっ…現実か分からなくて…」


「現実だよっ!」


「……!?」


廉の少し強めな口調に、咲はドキッとする。


「俺の好きな人は……咲ちゃんだよっ」


「……っ…」


廉の言葉に咲は何も言えずに、ただ視線を落とした。


すると、何故か頬に涙がつたう…。


「えっ!?ゴメンっ…俺…困らせた?」


「あっ…違うのっ、嬉しすぎて…夢みたいで…信じられなくって…」


すると廉は咲をギュッ…と抱き締める。


「ヤダよ……信じてよ…」


「……っ…うん…」


廉の腕の中、コクッと頷く。