感激してる場合じゃない!


咲は少し不安気味にフロアの中を見渡した。


「はぁ―…良かった、ホントに人は少ないみたい」


でも…
この手はどうしたらいいの!?


咲は握られた手を見た。


すると廉はスッと手を離して、ガラス窓に近づいて行く。


「…あっ…」


離れちゃった。

あれ…?

私、ガッカリしてる…?


とまどいつつ、咲も廉と一緒にガラス窓に向かって、再度夜景を見た。


「あ―…でも本当きれいっ」


「うんっ、東京は星が下にあるみたいだよね?」


「うんっ」


「俺等の地元は、もう少し田舎だけどね?」


「あははっ、うんっ」


「あそこの星もきれいだったなぁ~」


「うん、そうだね―」