「じゃあ…私行くね?」
「うん、引き止めてゴメンね?」
「ううん、おやすみなさい」
「おやすみっ」
そして咲が車から降りると、廉は窓から軽く手を振って車を発進させていった。
廉の車を見送ると、咲は紙袋をギュッ…と胸に抱え、部屋に向かった。
廉くん…
私…気づいたかもしれない。
優しい廉くんに触れて…
そして、
笹原さんに告白されて…。
改めて、私は自分の気持ちに気づいたんだ。
彼といると、ドキドキも多いけど、
やっぱり、元気が出るの。
私は…
彼が…
白石廉が……
……好きっ……。
やっぱり、好きなんだ……私。