「まぁ―…予定っつうか、俺はただ…バレンタインのお返ししようと思ってな?」


「えっ?……バレンタイン?」


とまどう廉に、笹原は少しニヤッとする。


「あぁ―…もらったから、チョコ…」


「……っ!?」


廉はとまどい、うつむいた。


そんな廉を見て、笹原が口を開く。


「そういえば…」


「えっ…?」


笹原は廉の目を真っ直ぐ見る。


「いつも…ありがとうございますっ」


「えっ…?」


「……雑誌を買って頂いて……鈴・宮…廉さん…?」


「……っ!?」


廉は少し驚きつつも、お店の人なら知ってるのかも?…と思い直し、冷静を装う。


「こちらこそ…いつもありがとうございます」


「でも、まさか…君が星野と知り合いとは…」


「あっ…星野さんは、最初に雑誌を注文して頂いた方なので…お世話になってます」


「でも…それだけじゃないですよね?」


「えっ?」


「こうして待ってたってことは…?」