廉の姿に、咲はドキッ…とする。


「あっ…」


どうしよう…?


咲が立ち止まりうつむいていると、廉が咲の前に来た。


「咲ちゃん、お疲れ様っ」


「廉くん…お疲れ様、あのねっ…」


咲がそう言いかけた時、


「星野っ」


後ろから聞こえたその声に、ビクッとしながら咲が振り返ると、


「笹原さん…」


笹原が車を止めて、2人の方へ歩いてきた。


咲の視線に廉も笹原を見る。


そして、咲の前に来た笹原が口を開く。


「アホ、ちゃんとあそこで待ってろって言ったろ?」


「す…すみませんっ、でも私っ…」


咲の困った顔に笹原は廉を見る。


「あ―…予定ってなに?デート?」


笹原の言葉に2人はドキッ…とする。


咲は廉が迷惑すると思い…。


「ちっ……違いますっ、デートとかじゃないですっ」


咲が懸命に否定していると、