気を取り直して、私はメイクを落としに洗面所に向かった。 顔を洗い終え、さっぱりした顔で鏡を見る。 「私…何か“白石廉”に敏感になってる?」 ちょっとプライベートな廉を見たから…会ったからって。 あれは仕事として…みたいな感じだし。 きっと、もう…。 彼もそんなにあの本屋には来ないだろうな。 …不思議と私はそんな風に感じていた。 “きっと、もう会うことは…” と、勝手にそう思っていたんだ。