そして食事を終え、2人は帰る為再び廉の車に乗る。


2人で会話をしながら、廉が咲のアパート前まで走っていると。


いつの間にか、咲からの返事がなくなっていた。


「咲ちゃん…?」


廉が助手席を見ると、咲は眠っていた。


「…寝ちゃった、ゴメンね?いろいろ連れ回して」


廉が小さな声でそう呟いた。


そして、咲のアパート前に車が着いた。


シートベルトを外して廉が咲に声をかける。


「咲ちゃん…?着いたよ?」


「……ん…」


咲は寝返りを打ち、廉の方に顔を向けた。


その姿に、思わずドキッ…とする廉。


一旦咲から目を反らし、前を見た。


「咲ちゃん…着いたよ?起きないと…」


すると、対向車のライトが2人に当たり、廉はもう一度ゆっくり咲の方を見る。


そして少し眉を下げて廉が呟く。


「無防備すぎだよ……咲ちゃん…」


廉はしばらく咲を見つめる。


そして、廉の口からそっとこぼれる。


「……咲……」