ううん…廉くんは、やっぱり白石廉だよ。
Retの廉くんしか、想像出来ない。
咲がそんな事を思っていると、廉の携帯が鳴る。
「…えっ!?拓海っ?」
「拓海くんから?」
「うん、何だろう?ゴメン咲ちゃん、ちょっと待ってて?」
「うんっ…」
そう言うと廉は個室の外に出た。
拓海くんから電話?
何だろう?
仕事のことかな?
咲が一口飲み物を飲むと、塚元が料理を持って入ってきた。
「お待たせしました―」
「あっ、ありがとうございますっ」
「廉のヤツ、電話してたね?」
「…はい」
「ったく、女の子置いて電話すんなよなぁ~?」
「あっ…いえ、私は全然っ…」
「ふふっ…」
「えっ…?」
塚元は料理を並べ終わり、咲の方を見た。
「いや…?そういえば君が初めてだと思って」
「えっ…?」
「君が初めて、一般の子で廉が連れてきたのは…」