「えっとね…?じゃあ~これと、これとか美味しかったかな?」


廉は真剣にメニューを選ぶ。


咲はそんな廉を見て、つい…意識してしまう。


廉くんと…食事か。

なんか不思議な感覚。


目の前に、廉くん…。


咲はつい、廉を見てしまう。


「……じゃあ、これでいいかな?咲ちゃん」


「えっ…?あっ…うんっ」


「よし、じゃあ頼もう」


そう言うと廉はメニューを塚元に頼んだ。


そして、飲み物を先に手に取り廉が口を開く。


「塚元さんは、実は…事務所の先輩だった人なんだ?」


「えっ…?そうなの?」


「塚元さんは、デビューが決まるかもしれないって話が来た時に、辞める事決めたんだ…」


「そう…なの?」


「何か、口では“面倒くさいから”とか言ってたけど、デビュー前なのに塚元さんはけっこう注目されてて…」


「そうなんだ…?」


「今はこのお店経営してるけど“俺はこっちの方が向いてる”ってこないだは言ってた」


「…そっか」


もし…もし、廉くんがRetじゃなかったら、

どうしてたんだろう…?