「イェーイ!やったぁ~」
廉がハイタッチを求めるように手を上げる。
それを見て、躊躇しつつも咲も両手を上げ、廉とハイタッチをした。
「すごいね?廉くん…本当に全部外すなんて―」
「いやぁ~頑張った俺、何でこんなところで頑張ってんだろ?俺っ」
「あははっ」
笑ってる咲の前で廉が少し照れながら言った。
「多分……咲ちゃんが見てたから頑張れた気がするな…」
「……えっ?」
「あっ…いや、行こうっ」
「…うん」
咲は、廉の少し後ろをドキドキしながら歩く。
ダメ……意識しちゃ。
頭を左右に振って思いを掻き消す。
でも、廉くんって、本当に何でも出来るんだな…?
本当に…すごい人。