出口に出て、館内の映画グッズや公開待ちパンフレットを見ていると、


「あっ…!」


「えっ!?」


廉の声に咲が見ると、廉は公開待ち映画のチラシを見ていた。


「どうしたの?廉くん…」


咲の声に廉は、一つのチラシを手に取って咲に見せた。


「…俺がいたっ」


「あっ…!」


廉が咲に見せたのは、去年廉が撮影していた、廉主演の映画のチラシだった。


「あっ…ホント…」


廉のチラシを咲も見る。


去年撮影してた、廉くんがカメラマン役のだ。


そういえば、その役があったおかげで、廉くんが雑誌を求めてうちの本屋に来たんだよね。


何か…勝手に運命感じるなぁ。


「じゃあ…恥ずかしいし、行こ?咲ちゃん」


「えっ…?うん…」


恥ずかしい…?

そっか、でも…。


廉が先に歩いて行ったのを見て、咲はサッ…とチラシを一つ取ってすぐにカバンに入れた。


「ふふっ…」


入れちゃった。

公開したら、見に行こう。


一人で……ね。