中に入って、上映案内を見る2人。


「見るの決まってるの?廉くん」


「あっ、えっとね…咲ちゃんは何か見たいのある?」


「えっ…?私は…」


咲が上映案内の中で目に入ったのは、ロングヒットしているラブストーリーだった。


けど、こんなの見たいなんて言えない。


「廉くんの見たいものでいいよ?」


「えっ?本当に?うーん…どうしようかな?」


そう言うと廉は少し悩んだあと、タイトルを指を差した。


「じゃあ、これっ」


「…えっ…」


廉が指差したのは、咲の目に入ったラブストーリーのタイトルの様に見えて、咲は驚く。


「えっ…?廉くんそれ…」


と、言いかけた咲をチラッと見て、廉は慌てて指をずらした。


「……の下の、これっ!」


「えっ…?」


廉はラブストーリーの下の映画に指をズラした。


廉が指を差したのは、ラブ&アクションの洋画だった。


「あっ…うん、いーね?それ」


「でしょ?じゃあ…こっちにしようか?」


「うんっ」