そして、バレンタイン当日。
あれから、笹原さんは…
何もなかったかのように、いつも通りな感じでいる。
でも“星野”って名前を呼ばれる度、ビクッとしてしまう。
あの人が、何を考えてるのかは…私にはまだ分からなかった。
そして、そんな中。
咲は廉へのお礼を考えていた。
「うーん…どうしよう本当に…」
やっぱり、チョコ渡して気まずい空気になるのはイヤだしな。
チョコ以外?
…って、なに?
と、その時。
休憩室に用意されていた、女子社員から男性社員へのバレンタインのチョコが置かれていたのに目が行く。
「やっぱり…それ…?」
よしっ…!決めたっ…!
そう思って咲は、お昼休み中お店を出た。
近くの雑貨屋さんに出ていたチョコの売り出しを見る。
当日なだけあって、沢山の人でにぎわっているお店。