咲は思わず戸惑ってしまう。
少し咲から離れると、笹原はニヤッとした。
「どうだ?当たってるだろ?」
カバンを持っていた手に少し力が入る。
「そんなことっ……笹原さんには分からないですっ」
「……だからおまえは分かりやすいって言ったろ?」
「……っ!!」
笹原の言葉に咲は顔が赤くなり、また少し手に少し力が入る。
「だからっ……人のこと、あれこれ詮索するのはやめて下さい!」
少し強い口調で言った咲に、笹原は驚く。
その間に咲は、カバンを持って立ち上がり、扉に向かった。
「……失礼しますっ」
「だって、しょうがねーだろっ?」
「………っ」
笹原の言葉に咲の足が止まる。
けど、咲が振り返らずにいると、
「……しょうがねーだろ?星野の事が気になるんだからっ」