「あっ…いや、もう…あれは……」
「おまえ“友達”って言ってたけど、俺の持論を一つ言うとだな？」
「……はい？」
「俺は、異性の友情関係は成立しないと思ってる」
「……えっ？」
“異性の友情関係”って、
私と、廉くんのこと？
私達の事を否定された気がして、私は口を開いた。
「そんなの……人によってじゃ…？」
「まぁ、それはある…が、俺は信じないっ」
「………っ」
「それに、おまえには…当たってる」
「えっ…？私…？」
笹原は咲の顔を覗き込んでくる。
咲はそんな笹原にビクッ…とする。
「なぜなら……おまえが、そいつの事を“友達”だと思ってないからだ…」
「……っ！？」
笹原にそう言われて、咲の胸の中でズキッ…と鈍い音がした。
