「星野っ」


再び笹原に呼ばれ、咲は仕方なく返事をする。


「……はい」


笹原は休憩室のテーブルに何かを広げて座った。


咲も仕方なく、笹原の向かいに座る。


「これ、俺の前いた店の陳列例だから、参考に目通しておけっ」


「あっ……はい」


咲は紙に何となく目を通す。


笹原さんって、何だかんだ仕事には真剣なんだよなぁ。


よく分かんない人。


「いい提案あったら言えよ?」


「…はいっ」


「じゃあ、それやるからっ」


「あっ……ありがとうございます」


「さてとっ…」


そう言って笹原は立ち上がり、咲も紙をたたんで自分のファイルに入れる。


「あっ…そういえば」


「えっ…?」


「昼のことだけど…」


「えっ?お昼…」


…って、またその話!?