「別に、怒ってねーよ?何年社会人やってると思ってるんだよっ」


「はぁ…」


っていうか、
何で、隣!?


「っていうか、ホントは男の方も職場でのチョコってのは気使うんだぞ?」


「えっ…?そうなんですか?」


「あぁ、やっぱ本命で欲しいよな?そういうのは」


「そう…ですか」


咲が素っ気なくそれだけ答えると、笹原はコーヒーを一口…二口飲み。


「だから…くれよ?」


「………っ!」


笹原の言葉に、咲はビックリした顔で見る。


「…はっ!?」


今、なんて?


「だからチョコ!持って来いよな?俺にっ」


「え―っ!?ちょ…ちょっと待って下さいっ!誰もあげるなんてっ…」


「いーじゃんかよ、ケチケチすんなっ」


「いや…ケチケチって問題じゃないですよっ!」


「ははっ」


咲の言葉にも、笹原はただ笑っていた。