そして、着替えて携帯を見ると、着信履歴があった。


「えっ!?廉くんから?」


カバンを持ち、走る様に咲はロッカールームを出ようとする。


入り口付近に笹原が立っており、咲は慌ただしく挨拶をする。


「あ、お先に失礼しますっ、お疲れ様です!」


「あっ…おう?お疲れ…」


少し急いで出ていく咲を、笹原が見る。


そして咲は、裏口を出てすぐに電話を掛けなおした。


プルルル…♪


『もしもし?』


「あっ…もしもし?廉くん?ゴメンね…今仕事終わったの」


『あっ、そうなんだ?お疲れ、残業?』


「あっ…うん、残業っていうか……新しく来た上司に捕まってて…」


『えっ?新しく来た?』


「うん、今はマネージャーなんだけど、何か店長研修らしくて3ヶ月間うちにいるらしいの」


『へぇ~?そうなんだ』