「笹原さん、何ですか?」
「おまえ雑誌担当だったな?」
「…はい」
「俺も前の店では雑誌担当だった」
「えっ?そうなんですか?」
「あぁ、だから分かるっ」
「えっ?」
「これっ」
そう言って笹原はA4紙一枚を咲に渡した。
「……これは?」
「まぁ、おまえもいつも見てる集計表だけど、俺が赤ペン引いたところっ」
「えっ?赤ペン?」
あっ…ホントだ、
引いてある。
「そこ、なんだと思う?」
「えっ…?」
と、咲は集計表を上から眺める。
「これは…多分、売り上げが上がってるもの?」
「正解、やるじゃんっ?」
ニヤッとしながら、咲を指差す笹原。
「……どうも」
「けど、正解しただけじゃダメだ、分かるなら問題はここだっ」