「えっ?」
「立ちくらみ、心配だから」
「……」
「ありがとう」
隼人くんは、友達だから優しくしてくれてるんだと、自分に言い聞かせた。
深い意味はないんだ。
だから手に触れたって大丈夫。一度くらい。軽く。
つかんで立ち上がった。
「大丈夫?」
「うん。もう大丈夫」
そう言うと、手が離れた。
わたし達が付き合った三カ月。
手も繋がなかった。
間接キスもしなかった。
なんで友達になった途端に、そういうの自然に出来るようになったんだろう。
そう自問自答するけど、本当はその答えなんか知ってる。
友達としてなら、隼人くんはわたしにちゃんと接してくれるんだ。
それはつまり、隼人くんにとって、わたしはやっぱり友達が丁度いいってことなんだ。