慌てて廊下に出ると、少し先を歩く隼人くんの背中を見つけた。


いつも見送ってた、背中。


ちょっと膨らんだシャツに、すっとした首。


「隼人くん」


勢いで呼び止めた。


隼人くんは立ち止まって、ゆっくり振り返る。


「あ……ありがとう」


そう言うと、


「うん」


と、頷いた。





勘違い、しちゃいそうになる。


もうわたしのこと嫌ってないって、勘違いしちゃいそうになる。


それとももう本当にそう思ってくれたのかな。


そう思うと本当に嬉しくて、隼人くんの姿が見えなくなっても、動けなかった。