わたし、本当はずっとこうしたかったのかな。
少しだけ心が軽くなって、口元が緩むものだから。
こんなにワクワクしたような気持ちでいるのいつぶりなんだろう。
ちょっとしたことで気持ちは変えられるんだな。
こうやって少しずつ少しずつ積み重ねて行けば、
わたしは自分を好きになれそうな気がした。
あれ……。
わたしって、わたしのこと嫌いだったっけ?
好きになる、なんて思うなんて。
科学室の前に着くと、扉が閉まっていた。
両手が見事に塞がってて、開けられそうもないし。
汚いけどノート、床に置いて開けるしかないか。
いちばん下の人、ごめんなさい。
そう思ってると、後ろから手が伸びて、扉が開いた。