「でもさ、羽麗ちゃんにとって俺も特別だよね?」 「えっ?」 「だって、怒るの嫌だったんでしょ?」 「うん」 「でも俺にはさ、バスケットボール投げて怒れたじゃん。それって、凄くない?」 「あっ……」 言われて思い出した。 初めて話をしたあの日、バカという暴言つきでボールをぶつけてしまったこと。