「教えるわけないじゃん」
「はあああっ？」
「知りたいのに、そういう態度？」
「……隼人くん、教えて」と、猫なで声に変わった。
それから、本当に考えた。
別れた理由って、もう一度戻ることの出来なかった理由ってなんでなんだろうって。
どうしてお互い、嫌われてると思っていたんだろう。
ちゃんと話をしなかったから、それは勿論ある。
だけど、それだけじゃない気がする。
ああ。うん。終わったことだったと考えないようにした。
「それよりさ、市ノ瀬、高塚から聞いた？」
「えっ？お前、また話を流したな」
「市ノ瀬の元カノに嫌がらせされたこと」
「……えっ？なんでお前、知ってんの？」
「嫌がらせを受けた日、高塚、俺んちに来たから」
市ノ瀬は、「はああ。なんで教えてくれねーんだよ！ていうか、家に来たってどういうこと？つうか何もないんだよな？」と詰め寄った。
