「えっ?そうなの?」


「まあ本人から聞いたわけじゃないけど、見ててわかりやすいくらい隼人くんのこと特別扱いしてるからさ。まあ守護霊なんかに許可いらないと思うけど、気になるかなって一応の忠告よ。あたしは言ったからね」


「まあ、良いんじゃないかな?」と、サンドイッチを頬張った。












放課後、市ノ瀬くんは教室の前で待ってくれていた。


「お待たせしました」と廊下に出て言う。ロッカーにもたれていた背を離し、微笑む。改めて二人で帰るの緊張するな、と思った。


そのまま視線を少し遠くに向けた。


「隼人」と、たぶんわたしの後ろにいたんだろう、声をかけた。


「なに」と、隣に隼人くんが来ると、「今日、羽麗ちゃんと帰るんだー」と言うけど、そんなことわざわざ言わなくてもいいのにと、気が焦る。


「そう。高塚、気をつけてね」


「気をつけてって、てめ。どういう意味だよ?」


睨み顔の市ノ瀬くんを包むような笑みで受け流すと、先に昇降口へと向かって行った。


今日も真っ直ぐ帰るのかな。


「……行こっか」


「あっ、うん」


今日も市ノ瀬くんは自転車を押して歩く。近くのスーパーにちょっとだけ寄り道することになった。