「あれ体育だったの?」


購買部に行くと、体操着姿の市ノ瀬くんがいた。


「あ。羽麗ちゃん」手には戦利品のジュースとコロッケパン。


今日も三分だけと、廊下にあるベンチに座った。


あれから、簡単なメールとかしてたけど、特に何かあったわけじゃない。すれ違う時、声をかけられたけど、こうして座って話すのは久しぶりだった。今日は水曜日。


「今日一緒、帰れる?」と市ノ瀬くんに誘われた。


「……うん」


こういう約束をされる度、単純なわたしはとっても意識してしまうんだ。









「そういえばさー」と、杏奈はお弁当をつつきながら言う。


「ん?」


「あんたの友達なんだっけ。あのー園芸部だった。最近マネージャーになった子」


「実咲ちゃん?」


「ああそうそう。あの子、隼人くんのこと狙ってそうだけど、いいの?」