「それより、高塚だって俺と話したくないって言ったんでしょ?橋本から聞いた」
「……話したくないっていうか、嫌われてると思って、顔、見れなくなっちゃって。ごめんなさい。感じ悪かったよね」
「そっか」と、視線をそらし短く息をついた。
「でも誤解、解けて良かった」
「うん」
「じゃあまた明日学校でね」
「うん」
嫌ってなかったんだ。ただ友達にしか見えなかったんだ。
そう思うとあのときの悲しいわたしの半分の悲しみは減るかな。
もう戻れないけど。お互いの思っていたことが言い合えたのだから、本当に嫌な思い出は全部今日で塗り替えられたんだ。
自分ひとりの決意よりも二人で交わした何気ない会話が小さな自信を確かにしてくれるんだって思った。