なぜだろう。彼女を疑えなかった。何をして
いたのか、本当は物凄く知りたいはずなのに。
真実を知るのが少し怖かったのと、その反面、
彼女が浮気をしているとも思えなかった。
今は彼女を大切にしたい。僕の被害妄想で亀裂
を入れてしまうかもしれない、怖い。散々悩ん
でいたことも。彼女の本当の気持ちもまだ聞け
ていない。先走ってはいけない気がした。慎重
に落ち着いて行動しないと後悔する気がした。
そもそも彼女は僕に嘘をついたことはない。
もちろん僕を裏切ったことも。そんな彼女を疑
えなかった。むしろ信用しなくてはならない。
留守にしたのはきっとなにか事情があるか、た
だ本当に友人の家にでも泊まっていただけなの
か。僕の心としてはモヤモヤで息苦しくなりそ
うだったが、彼女の笑顔に癒され、彼女から話
してくれる日があるのならその時まで待とう。
今は彼女の存在を心から感じていたい。