…見つけた?
え…?俺のこと…?

自分の席から立ち、俺の前で止まる。
周りはさっき以上にざわざわとうるさいのに、なにも聞こえないように感じる。

高塚未羽は黙って俺の目をじっと見つめる。
そして俺の頬を触って
「よかった…」と泣きそうな顔で言った。

その直後1時間目の始まりを告げるチャイムが鳴る。

なにが?とか、俺のこと知ってるの?とか色々聞きたいことがあった。
俺は彼女が席に戻るまで一歩を動くことができなかった。