他にも綺麗な人はたくさんいるんだろうけど、俺はこんな気持ち初めてだった。
不思議な感覚に陥った。


先生に言われた席に座った彼女はクスリとも笑わない。

「高塚さん、緊張してんのかな?」
駿が不思議そうに言う。

…いや、緊張というより…なんか…
…睨んでる?


ざわざわ

急にうるさくなったと思えばHRは終わっていて、みんな彼女の周りで群がっている。

「どこから来たのー?」
「未羽ちゃんって呼んでいー?」
「どこらへんの家なのー???」

女子からの質問攻撃。
男子は鼻の下伸ばして見つめている。

俺もじっと高塚未羽を見つめる。

みんなが期待と好奇の目で彼女を見る中、彼女が一言。

「うるさい」